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005 認知症介護で溜まったストレスをスッキリ軽くする方法とは?

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まえがき

「毎日、毎日、同じことばかり言ってきて・・・」「こんなことがいつまで続くの・・・」「昨日は、ついイラっとして、キツく当たってしまった・・・」このようなことは、認知症が原因で起きていることで、もう、どうしようもないことだとわかってはいても、日々、介護をされているご家族が抱えるストレスは並大抵のものではないと思います。

昨今、テレビや新聞、ネット上などでも、認知症介護について多く取り上げられています。取り上げられる内容の多くは、認知症介護がいかに過酷なものであるか。認知症介護がいかに過酷で、かかわった介護者がどれだけのストレスを抱えているかといった内容がほとんどです。

認知症介護について、書籍やネット上でも、「いかに認知症介護と上手くかかわればよいのか」「どうすれば、ストレスなく認知症介護を行えるのか」このような情報が多く発信されていますが、そのほとんどが、専門知識が必要なものだったり、日々、介護施設などで働いている専門家ですら困難なものが多いのも事実です。

認知症介護を続けていくうえで、ストレスといかにうまく付き合うか。これは、世間にあふれている認知症介護についての情報などよりも、最も大切であり、最も重要なことでもあります。

ここからは、今現在、認知症介護にたずさわっている方。これから認知症介護にたずさわるかもしれない方々へ向けて、認知症介護を少しでもストレスを感じることなく続けるためにはどうすればよいのか?ストレスを感じてしまったとき、どうすればよいのか?実例なども交えながら、できる限りわかりやすく解説していこうと思います。

あなたの“認知症介護ストレスチェック”

認知症介護でストレスを感じたときの対処法などをお伝えする前に、まず、あなた自身が今現在、どれぐらい認知症介護でストレスを感じているのか?簡単にテストしてみましょう。

このストレスチェックは、これから認知症介護にかかわるかもしれない方にとっても、とても興味深い結果が出ることもあるので、今、介護にかかわっていない方もぜひチェックしてみてください。チェックする項目は以下のようなものになります。

1.認知症介護を、現状自分が1人で抱えている。

2.いつも「自分が頑張らなければ・・・」と思っている。

3.「こんなことがいつまで続くの・・・」と日々不安を感じている。

4.鏡で自分の顔を見たとき「最近、笑顔が少なくなったな・・・」と感じることが多くなった。

5.理由は無く、イライラすることが最近多い。

6.最近、人と話すことが面倒になっている。

7.最近、食欲も気力も落ちている。

8.介護の悩みを聞いてくれる人が身の回りにいない。

では、チェックの数でどのような結果が出るのか、早速ストレスチェックを始めてみてください。

【チェック数が6個~8個】の方

すでに、かなりストレスがたまっている状態です。「今、認知症介護に真剣に向き合っている」または、「今、自分しか認知症介護にかかわれる人間がいない」もしかすると、あなたは今、このような状態にあるのかもしれませんが、今、あなたにとって最も大切なことは、自分の心と体を労わってあげることです。

自分以外に頼れる人間はいないのか?身の回りに悩みを相談できる人間がいないのであれば、役所などの介護の窓口や、近隣の介護施設などに電話で相談してみると良いでしょう。

【チェック数が3個~5個】の方

少しずつですが、ストレスがたまり始めている状態です。ここままの状態が続くと、やがて体のバランスが崩れたり、夜、眠りに入りにくくなるなど、体調を崩すことになるかもしれません。

介護を続けていく中で、身体やこころが疲れたと感じたら、いったんその場を離れて、外に出て深呼吸をする。1人なって、お茶を飲んで休憩するなどが必要です。

【チェック数が0個~2個】の方

今、あなたは、介護で大きなストレスを感じている状態ではないようです。上手くストレスを発散できているか、
今、現状で、介護にそれほどストレスを感じる状況ではないのかもしれません。今の状態を維持していくためには、時々で良いので、チェック数が多い方の項目を確認してみることも大切です。

いかがだったでしょうか。認知症介護でのストレスへの対処法を知る前に、今の自分の状態を知っておくことは
とても大切なことです。今、どれだけ自分がストレスを感じているのか?ぼんやりとでも自分の状態を理解していただくことで、これからお伝えしていく、ストレスを感じたときの対処法や、なぜストレスを感じるのかについての理解度が深まっていきます。

では、次からは、なぜ、認知症介護でストレスを感じてしまうのか?について、より分かりやすく解説していこうと思います。

認知症介護では、なぜ、こんなにストレスを感じるのか?

「介護うつ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?昨今、介護でのストレスから「うつ病」になってしまう方はかなりの数になっているそうです。そして数ある介護の中でも、多くのストレスを抱えてしまう1つが、「認知症介護」です。

テレビのニュースなどでも、老人ホームなどの介護施設で働いている職員が、施設に入居されているご高齢者に対して暴力行為を働いた。このような痛ましい事件が取り上げられたこともありましたが、これも、認知症介護でのストレスを解消できなかったことが原因の1つだと思われます。

このように、職業として介護にかかわっている人間ですら、多くのストレスを抱えてしまう認知症介護ですが、ここでは、なぜ認知症介護とかかわることで、介護者が多くのストレスを抱えてしまうのか?事例も交えながら解説してみようと思います。

家事や仕事、そして介護まですべて1人で抱え込んでしまうと・・・

今、家事や仕事、そして介護まですべて一人で抱えこんでいませんか?これが認知症介護でのストレスの代表的なものかもしれません。

「自分がもっとがんばらなくちゃ」「休んでいる暇なんかない」このように、自分でも気が付かないうちに、自分で自分を追いつめてしまっている介護者さんが多くいらっしゃいます。

家事や育児、仕事などをこなしながら、介護もしなければならない。ですが、このような方のこころの中は・・・「なんで誰も手伝ってくれないの・・・」「なんで自分ばかり・・・」「たまには息抜きできる時間が欲しい・・・」このように思いながらももう一方、こころの反対側では、「どうせ誰もわかってくれないし・・・」このように諦めてしまっている方もいらっしゃいます。

しかし、認知症介護とは、終わりの見えない長期戦になることも多いのが事実。長期戦の入り口で燃え尽きてしまっては元も子もありません。

なんで、こんなに毎日困らせるの・・・

「さっき言ったばかりなのに、何度も何度も同じことばかり言って・・・」「何を言ってもわからないし!少しはこっちの身にもなって!」このように、理解力が低下し、物忘れの症状が進行した認知症高齢者と日々かかわるストレスは並大抵のものではありません。

特に認知症の症状が進行する過程では、1人では食事が食べられなくなる。お風呂に入る手順が解らなくなる。トイレに行くことすら理解できなくなるなど、介護者さんへの肉体的な負担も徐々に大きくなっていくのが「認知症介護」です。

このように、精神的な疲労と肉体的な疲労が重なっていくと、いつからか介護者さんの心も、「少しはこっちの身になって・・・」「毎日、毎日、人を困らせる事ばかり・・・」「お願いだから少しはこちらの言うことを聞いてください。」などと、相手への思いやりや尊重するという気持ちよりも、「なぜ、自分ばかりがこんな大変な思いをしなければいけないの・・・」と過剰なストレスを抱えて燃え尽きてしまう方もいます。

いったい、いつまでこれが続くの・・・

日々、進行していく認知症の症状とかかわっていくストレスは、介護者さんにとってはとても大きな負担となります。認知症介護には「今日1日頑張れば、明日は楽になれる」そのような保証はどこにもありません。

このように、先の見えない認知症介護にかかわっていく中で、介護者さんの心を占めていくのは「いつまでこんな毎日が続くの・・・」とストレスを超えて、あきらめの心境になってしまう方もいるのも認知症介護での現実でもあります。

認知症介護でのストレスを解消する3つの方法


ここまで、認知症介護では、どんなことでストレスを感じるのか、認知症介護でストレスが溜まっていくと、介護者さんはどのような状態になってしまうのか、簡単なセルフストレスチェックなども交え、解説してきました。

先ほどまで何度もお伝えしてきましたが、認知症介護を続けていくうえで、ストレスは切っても切れないものです。そして、認知症介護を長く続けていくには、どのようにストレスを解消するか。これもとても大切なことです。

では、ここからは、ストレスを解消するための3つの方法について解説していこうと思います。

時には介護をサボって自分だけの時間を作ってください。

認知症介護でストレスを感じ、燃え尽きてしまう方のなかで、最も多いパターンが、「とにかくまじめに介護を続けている人」で、こういう方に多く見られるのが、何かのきっかけで燃え尽きてしまい「介護うつ」になってしまう方も多いようです。

「うつ病」の治療の過程で、医師から推奨される治療方法の1つに「疲れたら休む」「会社に行くのが嫌になったら、会社を辞めてしまう」などが真面目に取り上げられています。

「会社を辞めてしまう」「疲れたら休む」など、まじめな人からすれば、「なんていい加減な!」とお叱りを受けてしまうかもしれませんが、介護者さんが燃え尽きてしまって、一番被害をこうむるのは誰でしょうか?

そうです。一番被害をこうむるのは、今介護者さんが目の前で毎日向き合っている、介護をされているご本人です。そんなことになるくらいなら、誰かに助けを求めてみてください。誰にも助けを求められないのなら、介護サービスを利用してみるなどで、「介護をしなくても良い時間」を作ってみてください。

介護保険という制度をご存知でしょうか?どこかで一度くらいは聞いたことがあるかもしれませんが、国が定めた介護の制度で、この制度を利用することで、ホームヘルパーさんやデイサービスといった、介護サービスを利用することができるのです。
※介護保険制度とは?

http://www.roushikyo.or.jp/contents/about/jigyo/kaigohoken/

ホームヘルパーさんを利用すると、介護者さんが仕事や家の用事で家を留守にするあいだ、食事のお世話や、入浴、排せつの介護などを、介護者さんに代わってもらうことができます。

デイサービスを利用すると、日中、朝10時ごろから夕方の5時ごろまで、デイサービスという介護施設で預ってもらい、その間、食事や入浴、排せつなどのお世話をしてもらえます。送り迎えも施設が行ってくれますし、施設によっては、時間延長やお泊りの対応までしてくれる施設もありますので、こういった介護サービスを利用することで、介護者さんの休息の時間を作ることができます。

その他には、特別養護老人ホームなどの介護保険施設で、数日間預かってもらうショートステイという介護サービスもあります。
※ショートステイとは?

http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html

数日間でも介護の専門家がいる施設であずかってもらうことで、介護者さんにとっては休息の時間が取れますので、日々のストレスや疲れを癒すこともできるでしょう。こういった、介護サービスを上手く活用することで、介護者者さんの日々のストレスや疲れを解消することができます。

このような介護サービスを利用する手続きなどは、先ほどご紹介した「地域包括支援センター」に電話で問い合わせれば、手続きの方法から、実際に利用した際の料金なども詳しく教えてくれますので、一度問い合わせてみても良いかもしれません。

「介護をサボる時間を作る」これも立派な介護ストレス解消の手段です。

ストレスが溜まったら、介護の専門家に助けを求めてみてください。

認知症介護で悩んだ時、あなたの家のすぐ近くに、無料で介護の相談にのってくれる専門家がいることをご存知ですか?一度、家の電話帳を開いて見て、「地域包括支援センター」という建物が載っているので探してみてください。
※地域包括支援センターとは?

http://wwwa.cao.go.jp/wlb/ryouritsu/consultation.html

この「地域包括支援センター」は、市区町村の規模によって、必ず配置される割合が定められていて、ご自宅の電話帳で、「地域包括支援センター」を探してみると、必ず電話番号などが記載されています。

このセンターの主な役割は、介護者さんが在宅介護で生じた問題点から、認知症介護への対応、介護施設への入所の方法や、施設の空き情報、介護保険の申請の支援まで、様々な役割を担っている、行政の出先機関です。

介護で生じた負担やストレスについて、介護サービスを利用した負担軽減の方法や、家族が行っている介護についてのアドバイスまで、介護者の悩みについてのアドバイザー的な役割も担っている機関でもありますので、ご自身が今抱えている認知症介護での悩みなど、「もう解決できない・・・」このように思われる前に、一度電話で相談されてみることをお勧めします。

認知症介護でのグチを言い合える仲間を探してみませんか?

先ほどご紹介した「地域包括支援センター」では、地域に住む介護者が集まって、介護での悩みや困りごとについて話し合える場を積極的に設けています。ここでは、介護の専門家である、地域包括支援センターの職員や、介護施設の職員、ケアマネジャーや医療関係者などが講師となって、介護者の悩みや困りことについて助言を行っています。

また、この場では、地域で介護を行っている介護者同士が集まることで、実際に介護に携わっている者同士が、日々の悩みや困りごと、介護者にしかわからないグチをお互いに言い合える貴重な場でもあります。

介護者さんは皆、孤独です。日々、1対1で認知症高齢者と向き合い、朝起きるところから、夜眠りにつくまで、
その間の食事の世話や入浴の介護まで、ほぼ1人で担ってることも多いでしょう。

その長い1日の中では、意思疎通も上手く取れず、何度も何度も同じことを聞かれ、こちらの意図しない行動を取る、認知症高齢者と接しています。

認知症高齢者にはグチを言ったところで通じません。ですが、介護者さんも人間です。時には誰かにグチを言いたくなることだってあるでしょうし、同じ悩みをもつ仲間が欲しくなっても決しておかしくはありません。

自分の身近に、同じ悩みを持っている仲間がいて、時には悩みを打ち明け、時にはグチを言い合える。そんな仲間を持つことも、認知症介護のストレスを解消するためにはとても大切なことでもあります。

認知症介護でストレスを溜めないために必要な‟3つの考え方”

認知症介護とは、やればやるほどストレスが溜まるものです。「まだ、ご飯食べてない」「今日は何日だったかね」このように、毎日毎日同じことを聞かれ、同じ返答を繰り返すだけでも、ストレスは溜まってきます。

さらに、認知症高齢者への介護では、食事のお世話、入浴や排泄といった身体的な介護も重なる場合もあるので、精神的にも肉体的にもさらにストレスと疲労が蓄積されてきます。

このように、認知症介護では、ストレスがたまるのは仕方がないと思われるかもしれませんが、認知症介護に向き合う上で、ほんの少し考え方を変えるだけでもストレスを軽減することは出来ます。

では、ここからは、どのように考え方を切り替えると、認知症介護でのストレスを軽くすることができるのかについて解説してみようと思います。

認知症介護では“時には逃げるが勝ち”!

「ねぇ、昨日タンスにしまった財布が無いのよ・・・」「きっと、誰かが勝手に持っていたのよ!」などと、実際には起きていない妄言に振り回されるのも、認知症介護では大きなストレスになります。このようなときに、「誰も財布なんて持っていきませんよ!」「財布ならここにありますよ!」などと、その都度、相手と真正面から向き合っていたら、とてもじゃないですが介護者さんの身が持ちません。

こんな時にどうすればよいのか?どうすればストレスを溜めずに済ますことができるのか?ですが、例えば「ねぇ、昨日タンスにしまった財布が無いのよ・・・」などと何度も追いかけまわされているとき、こんな風に相手に返してみてください。

「ところで、今日の夕ご飯のおかず何にします?」「明日の天気は晴れ?それとも雨?」言い返された相手からすれば、ちょっと意表を突かれるかもしれませんが、認知症高齢者の特徴の1つに、「短期記憶」の衰えというものがあります。

短期記憶とは、記憶を保持できる時間が数十秒から1分程度の、比較的短い期間に起こった記憶のことです。例に例えると、朝起きて、さっきまで使っていた歯ブラシの置き場所を忘れてしまう。さっきタンスにしまった財布などをどこにしまったかわすれてしまう。このような、ついさっき起きた出来事なのに覚えておくことができない。どこに物を置いたか忘れてしまう、何度も同じことを聞くなどの症状が見られるようになります。これを短期記憶障害といいます。

認知症高齢者さんは、ついさっき起きた出来事や自分が発した言葉をすぐに忘れてしまいます。これを「ねぇ、昨日タンスにしまった財布が無いのよ・・・」などと何度も追いかけまわされているときに上手く利用するのです。
「ねぇ、昨日タンスにしまった・・・」が始まったら、ノラリクラリと取り合っているふりをしながら、なんとなく会話を別の話題に変えてみてください。

これは、介護施設などで働いている専門家でも使う、認知症高齢者と接する際のテクニックの1つで、相手を混乱させること無くその場を治めることができるので、ぜひ試してみてください。

相手の訴えに対して、答えを返すことなく逃げているようで、はじめは抵抗があるかもしれませんが、認知症介護では‟時には逃げるが勝ち!”もストレスを溜めないためには大切な考え方です。

認知症介護をあまり真面目に考えすぎてはダメです!

認知症高齢者と日々接していると、私たち健常者の常識では理解できないことが次から次へと起こります。夜中に突然起きだして、タンスの中を引っ掻き回してみたり、いつの間にか外に出かけたと思ったら、迷子になって近所の方のお世話になってみたり。

介護者さんからすれば、「なんでそんなことばかりするの・・・」「いつになったら、こっちの言うことをわかってもらえるの・・・」と、どうすればこちらの言うことを聞いてくれるようになるのか、どうすれば、理解できない行動が収まるのか、考えれば考えるほどストレスは溜まっていく一方です。

こんなときには、「どうすればいいの?」などとまともに考えることをやめて見てください。理解されないとわかりきっていることに、いちいちイライラしてストレスを溜めるぐらいなら、適当にその場をごまかしてみてください。何度も何度も同じことを言われ、追い掛け回されたときには、「はいはいわかりました」と適当に相槌をうって、イライラすることを止めてください。

老人ホームで働いている介護職員さんたちは、毎日毎日、もっと重症の認知症高齢者さんのお世話をしていますが、何度も何度も同じことを言われながら、相手の訴えに対し、適当に相槌をうちながら上手くその場を治めています。これも、常時ストレスを抱える、介護という仕事をしている人ならではのテクニックと言ってもいいかもしれません。

これは決して相手を侮辱しているわけではありません。ですが、どうしても理解されない、相手との意思疎通がうまくいかないときに、必死になってこちらの言い分を理解させようとしても、それは空回りに終わることが多いのも、認知症介護です。

認知症介護に一生懸命向き合うことは大事ですが、あまり真面目になりすぎてもダメです。時には少しぐらい適当になってもいいのです。

認知症介護では‟あきらめること”も大事です。

介護者さんはとても一生懸命でまじめです。毎日毎日、必死になって認知症高齢者と向き合って介護をして、介護の合間に、家事や仕事などの用事をこなし、自分の休む時間も削って、必死になって介護をされています。一生懸命すぎて、周りが見えなくなり、自分を労わることなんてどこかに追いやってしまっています。

ですが、認知症介護では、介護者の思い通りに事が運ぶことはほとんどありません。一生懸命必死になってみても報われないことも多いのが認知症介護です。

「どうすればもっと上手く介護ができるの」「どうすればもっと効率よくできるようになるの」こんな風に必死になって考えてみても、認知症介護には「これをすれば絶対に上手くできる」「認知症介護はこうすればいいのです」なんて模範解答は無いのです。

必死になってみても報われないぐらいなら、いっそのこと「上手くいかなかったけど、仕方が無いか・・・」「まぁ、しょうがない」と、上手くいかなかった自分を責めないで、あきらめてみることも大事です。

これは何度も言いますが、認知症介護では、上手くいかないことだらけです。いつも上手くいくことを期待すること自体に無理があるのです。接する相手は、日々物忘れがすすみ、こちらの予測外の行動に出ることがほとんどの‟認知症高齢者”です。

「上手くいかなくて当たり前」「上手くいかなかったら、仕方がないとあきらめる」このぐらい、気持ちを軽く持つことが認知症介護を長く続けているうえで、大切なことの1つでもあります。

まとめ

ここまで、認知症介護とストレスの関連性について解説してきました。認知症介護とストレスは切っても切れないものです。

どのような状況でストレスを感じるのか?ストレスを解消するために、認知症高齢者とどのようにかかわればよいのか?など、介護者さんの置かれている現実も考慮し、実例も交えながら解説してきました。

認知症介護だけに限らず、介護は先の見えない、長い道のりになることもしばしば起こります。1日1日、一生懸命になって介護をすることはとても素晴らしいことではありますが、道の途中で、介護者さんが力尽きてしまっては、元も子もありません。

太く短くではなく、細くでもよいので、息長く、介護者さんも自らを大切にしていただくために、認知症介護で感じるストレスについて、今回、ここまでお伝えしてきたことが少しでもお役に立てれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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