以前、ご紹介した記事の中で、ショートステイ(短期入所)という介護サービスについてお伝えしました。
※こちらの記事でショートステイについて詳しく解説しています。
「介護に疲れたときはショートステイを利用して介護の負担を軽減」
このショートステイ(短期入所)という介護サービスは、普段は在宅で生活されているご高齢者を、ある一定の期間、特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった、介護老人保健施設などの介護施設で宿泊してもらい、宿泊している期間は、施設の介護職員がご家族に代わり、食事や入浴、排せつなどの介護をおこなってくれるという介護サービスです。
このショートステイ(短期入所)というサービスをおこなっている介護事業所は「特別養護老人ホーム」や「老人保健施設」がよく知られていて、以前ご紹介した記事の中で、利用した際の料金やサービス内容、利用するための手続きなどをご紹介しましたが、昨今では、日中にデイサービスを提供している介護事業所で、夜間(夕方から次の日の朝まで)にショートステイ(短期入所)をおこなう介護事業所が増えています。
そこで今回は、特別養護老人ホームや老人保健施設以外のデイサービスでおこなわれているショートステイについて、提供されているサービス内容や料金、利用する際の手続きなどについてご紹介してみようと思います。
お泊りデイサービスはデイサービスでショートステイができる
日中、朝から夕方までご高齢者を介護施設で預かってくれて、入浴や排せつ、食事の介護などをおこなってくれる介護サービスにデイサービスという介護サービスがありますが、昨今このデイサービスを提供している事業所の中にショートステイ(夜間の宿泊サービス)を提供している事業所があります。
この介護サービスは「お泊りデイサービス」と呼ばれています。
このお泊りデイサービスは、介護者さんにとって、うまく活用すればショートステイの役割を十分に果たしてくれるとても便利な介護サービスです。
デイサービスを利用したその日の夜からショートステイできる
一般的なデイサービス(通所介護)では、利用時間は午前中から夕方までとなっていて、夕方になると施設の送迎車両でご自宅まで送ってもらうというのが通常のサービス内容です。
ですが、この「お泊りデイサービス」では、日中利用していたデイサービスの施設で、日中はデイサービスを利用し、利用した日の夕方からそのまま次の日の朝まで同じ施設でショートステイ(宿泊)ができます。さらに宿泊した際の夕食と次の日の朝食は宿泊したデイサービスが用意をしてくれます。
なお、お泊りした際の宿泊料金は介護保険の適用外となります。宿泊料金はお泊りをおこなっている施設によって差がありますので、ご利用の際には事前に確認しておいてください。
この「お泊りデイサービス」を利用したい場合には、事前の予約が必要な施設がほとんどで、急に当日の利用を希望される場合にはベッドの空きがなく、対応をお断りされる場合もありますので、宿泊を利用したい日にちが分かっているのなら事前に予約しておくと良いでしょう。
利用について希望や疑問点などがあって、すでに介護保険のデイサービスを利用されているのなら、利用されているデイサービスがお泊りをおこなっている施設であるのか、ケアマネジャーさんに確認してみると良いでしょう。
ショートステイ以外にヘルパーさんも利用できるデイサービス
介護保険の在宅サービスに、小規模多機能型居宅介護(しょうきぼたきのうがたきょたくかいご)という介護サービスがあります。
この介護サービスは、1つの介護事業所と契約をするだけで、訪問(ホームヘルパー)、デイサービス(通所介護)、泊り(ショートステイ)の3つの介護サービスを利用できるという介護サービスです。
このサービスの中心となるのはデイサービスですが、この小規模多機能型居宅介護(しょうきぼたきのうがたきょたくかいご)を提供している介護事業所と契約すると、日中のデイサービスのほかに、その施設で宿泊することも可能になっています。
日中デイサービスを利用しそのままショートステイを利用できる
一般的なデイサービス(通所介護)では、午前中から夕方までの利用で、夕方になると施設の送迎車両でご自宅まで送ってもらうのが通常の利用ですが、この小規模多機能型居宅介護のデイサービスでは、日中利用していたデイサービスの施設で、夕方になっても自宅へ帰らずそのままショートステイ(宿泊)することができます。また、介護をされているご家族の都合で、利用時間を夕方から夜まで延長したい時などにも柔軟に対応している事業所もあります。
この「小規模多機能型居宅介護」でのショートステイ(お泊りサービス)を利用したい場合には、事前の予約が必要な施設がほとんどで、急に当日の利用を希望される場合にはベッドの空きがなく、対応をお断りされる場合もありますので、宿泊を利用したい日にちが事前にわかっている場合には、できるだけ早めに利用したい日にちをケアマネジャーさんに伝え、事前に予約しておくと良いでしょう。
また、事業所で宿泊の空きがあれば、そのまま連泊が可能な場合もありますので、このサービスを利用することで、数日間でも介護から離れる時間を作ることができ、介護の負担軽減にもなってくれる介護サービスです。
小規模多機能型居宅介護を利用する際の注意点
この介護サービスは、デイサービスのように一回利用するごとの料金ではなく、月額制の利用料金になっています。また、この小規模多機能型居宅介護の事業所以外のデイサービスや訪問介護事業を利用ができません。
このような、利用する際の注意点やお泊りの料金などは、事前にケアマネジャーさんや利用を希望している事業所に確認をしてください。
※小規模多機能型居宅介護の利用料金は?
「引用元:WAMNET」
デイサービスでショートステイを始めて利用する際の手続きは?
介護保険が適用されるショートステイ(短期入所生活介護)などを始めて利用する場合には、「ケアマネジャー(介護支援専門員)」という介護保険の専門家に、介護保険サービスを利用するための手続きや介護保険施設へ利用申し込みをするための手続きをお願いしなければなりません。
このケアマネジャーは、ご自宅での生活を続けるために介護(ケア)を必要としているご高齢者が、その人に必要な介護サービスを適切に利用できるように、介護サービスを提供している事業所と介護サービスを利用するご高齢者やご家族との調整や連携をおこないます。
※ケアマネジャーってどんな仕事をするの?
東京都大田区ホームページより引用
また、介護サービスが適切に提供されるための計画書である「ケアプラン」の作成をおこなうなど、介護保険制度において、介護サービスが提供されるためにとても重要な役割を担っている介護の専門家でもあります。
※ケアマネジャーに介護保険の手続きを依頼する方法やケアプランなどについて、詳しく解説している記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
019 ケアマネジャーってどんな人?仕事内容は?など徹底解説
なお、介護保険の対象外となる有料老人ホームなどでショートステイを利用する場合には、ケアマネジャーさんがいなくても、サービスを利用することができます。
デイサービスでのショートステイについてまとめます
今回は、以前にご紹介した「特別養護老人ホーム」や「老人保健施設」以外のデイサービスで提供されているショートステイ(短期入所)についてご紹介してきました。
デイサービスや小規模多機能型居宅介護などで提供されているショートステイ(短期入所)は「お泊りデイサービス」と呼ばれ、昨今では多くの方が利用されています。
この「お泊りデイサービス」は日中、介護保険のデイサービスを利用し、夕方から次の日の日中までご高齢者を1つの介護事業所で預かってもらえるという利便性があり、介護者さんにとってご高齢者を預かってもらっている間は、介護から離れる時間を作れるというとても便利な介護サービスです。
介護は一度始まってしまうと終わりが見えません。
日々、終わりの見えない介護の日々が続けば、誰であっても「少しでも休みたい」「介護から離れたい」「自分1人だけになれる時間が欲しい」そのような思いを持つことは当たり前でしょう。
※以前、ご紹介した記事のなかで 特別養護老人ホームなどの介護老人保健施設のショートステイについてご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
介護に疲れた時はショートステイを利用して介護の負担を軽減
そして、今回はデイサービスや小規模多機能などでのショートステイお泊りサービス)についてご紹介しましたが、そこでお伝えした内容をぜひ参考にしていただき、介護に疲弊してクタクタになってしまう前に、上手くショートステイを利用し、介護から離れる時間、ご自分の心と体を休める時間を持ってください。