まえがき
認知症のご高齢者の介護は、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積されます。
また、認知症の介護は一旦始まれば、いつまで続くのか、終わりの見えないという不安も、介護される方にとっては大きな負担となります。
このように、認知症の介護を在宅で続けられている方の中には、精神的な疲労やストレスから心のバランスを崩してしまう方もいるようです。
また、人によっては、家事や育児、そして介護の両立に疲れ果てて「介護うつ」になってしまう方もいるようで、2005年の厚生労働省の調査によると、介護者の場合、約4人に1人にうつ状態が見られたというデータもあります。
このような、介護による疲労やストレスによって生じる、介護の負担を軽減するために大きな味方になってくれるのが介護保険という制度です。
そこで今回は、今、ご自宅で認知症の介護をされている方の、日々の介護の負担を軽減してくれる介護保険サービスの中から、ホームヘルパーなど、介護の専門家が自宅まで訪問してくれる、在宅介護サービスについて、サービスの内容や料金、ホームヘルパー以外の在宅介護サービスがどのようなサービスなのか。
また利用の際の手続きや、サービスを利用すると介護者さんにとってどのようなメリットがあるのかなどについて解説してみようと思います。
【目次】
- ∨まえがき
- ∨在宅介護の代表的介護サービスが訪問介護(ホームヘルパー)
- ∨訪問介護ではこの他にも様々な介護をしてくれます
- ∨訪問入浴・寝たきりの方でも自宅で入浴できる介護サービス
- ∨訪問看護・自宅まで看護婦さんが来てくれる介護保険サービス
- ∨訪問看護ではこの他にもさまざまな医療ケアをしてくれます
- ∨「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」では利用料金が変わります
- ∨夜間対応型訪問介護は夜中のおむつ交換の介護をしてもらえます
- ∨介護保険の対象外になっている在宅介護サービス
- ∨これ以外にも様々な介護保険外のサービスがあります
- ∨在宅介護サービス・自宅に訪問してくれる介護サービスについてまとめます
在宅介護の代表的介護サービスが訪問介護(ホームヘルパー)
日々ご高齢者さんのお世話をしているご家族が仕事や家事などで家を留守にする際、ご家族に代わってご高齢者さんのお世話をしてくれるのが訪問介護(ホームヘルパー)という介護サービスです。
この訪問介護(ホームヘルパー)はご家族に代わって以下のような介護サービスをしてくれます。
家族に代わって食事の用意をしてくれます
ご家族が不在時や、同居されている方が食事の用意をすることが困難な場合など、ご家族に代わって食事の用意や片付け、食べる際の介助などをしてくれます。
排泄介護(トイレの介助)をしてくれます
寝たきり状態の方で、定期的にオムツ交換が必要な方には、ご家族に代わってオムツ交換をしてくれます。
また、1人ではトイレで排せつができない方には、トイレでの排せつ介護をしてくれますし、排せつで衣類が汚れた場合には衣類の交換もしてくれます。
排せつでトイレが汚れた場合には掃除をお願いすることもできます。
入浴の介護をしてくれます
自宅の浴室を使って入浴の介護をしてくれます。
入浴後には、着替えや整髪、爪切り、男性であれば髭剃りなどもしてくれます。
また、入浴後の浴室の片付けや掃除を依頼することもできます。
ご自宅の掃除をしてくれます
ご本人が生活するために使用している、トイレや浴室、お部屋や台所などのお掃除をしてくれます。お掃除と一緒に部屋の中の整理整頓なども依頼することができます。
洗濯や布団干しをしてくれます
ご本人の衣類や布団カバーなどの洗濯をしてくれます。洗濯ものを干したり、取り込んだり、衣類の整理などもしてくれます。
買い物の代行をしてくれます
ご家族に代わって、ご本人の生活で必要と食材や洗剤などの生活用品の買い物をしてくれます。
買い物をお願いできるのは、食材や、トイレットペーパー、ゴミ袋や洗剤、紙オムツなど、生活するのに必要と認められる最低限の品に限られます。
※お酒やタバコ、雑誌など、ご本人の嗜好品は断られる場合もあります。
病院や買い物などの外出時の付き添いをしてくれます
病院に行く際、自宅から病院までの行きかえりの付き添いをしてくれます。また、スーパーなどへ買い物へ行く際にも行きかえりの付き添いしてくれます。
※ヘルパーさんが付き添いをする際には、ヘルパーさんの事業所の車は使えません。タクシーや公共の交通機関を使っての付き添いになります。
※病院の付き添いは、受付までは付いてくれますが、院内の付き添いや、先生との診断の際の付き添いはしてもらえません。
寝たきりの方には体位変換の介助をしてくれます
ご高齢者さんが寝たきりで、床ずれができやすい方や、すでに床ずれができている方には、ご家族に代わって時間ごとに身体の向きを変える体位変換の介助をおこなってくれます。
また、処置が必要な方には軟膏の塗布やガーゼ交換などもおこなってくれます。床ずれの状態を見た看護士が判断すれば、医師の指示のもと、治療方法の助言や指導などもおこなってくれます。
訪問介護ではこの他にも様々な介護をしてくれます
食事や入浴、排せつや掃除以外にも、さまざまな介護をしてくれます。また、依頼の内容によってはお断りされてしまう内容もあります。
そういった注意点や詳しい内容を解説した記事がありますので是非参考にしてみてください。
訪問入浴・寝たきりの方でも自宅で入浴できる介護サービス
1人で入浴することが困難で、入浴には介護が必要だが、ご家族が入浴の介護をおこなうことに不慣れで不安を感じている場合や、入浴の介護をおこなうことが、ご家族にとって肉体的に負担が大きく、定期的に入浴をおこなうことが難しくなっているご高齢者の為に入浴介護の専門家が自宅まで訪問し、自宅での入浴を支援する介護サービスが訪問入浴介護です。
この訪問入浴では以下のような介護サービスをしてもらえます。
組み立て式の浴槽を使って、入浴の介護をしてくれます
この訪問入浴という介護サービスの最大の特徴が、ご自宅の浴槽が深さがあって入れないなど、浴室の設備の問題で入浴できない方や、浴室まで移動することが難しい寝たきりの方にでも対応できるよう、組み立て式の浴槽を家の中に持ち込んで、入浴の介護をしてくれることです。
ム見立て式の浴槽の大きさは、一般の家庭にある浴槽とほぼ同じくらいの大きさで、家の中でも広めの部屋や、リビングや居間など、浴槽が置けるスペース(おおよそ畳2枚分ぐらい)が確保できればどこにでも設置できます。
この浴槽に入れるお湯は、ご自宅の浴室や給湯から水を引いて、組み立て式の浴槽を運んできた車両でお湯を沸かして浴槽にお湯を溜めて入浴します。
介護職員が2名と看護師の1名、計3名で入浴の介護を行ってくれます。
寝たきりのご高齢者でも自宅で入浴を行えます
ご自分で体を起こすことができない寝たきりの方や、浴室まで歩くことが難しい方でも、普段寝起きしているベッドや布団の上から、組み立て式の浴槽に入るまで、介護職員が2名で移動の介護をしてくれます。
浴槽に入ってから、洗身、洗髪、入浴後の着替えまで全て2名の介護職員と看護士1名が介護をしてくれるので、ご家族は介護をする必要がなく、近くで様子を見ているだけで大丈夫です。
また、入浴する前、ご高齢者の体調に不安がある場合には、看護士が血圧測定や体調の確認をしてくれて、浴槽に入らないほうが良いと判断した場合には、ベッド上などで、体を暖かいタオルで拭く、清拭という介護をしてくれます。
皮膚にトラブルや床ずれがある方は看護士が処置してくれます
寝たきりの方で、床ずれができている方や、乾燥肌などで皮膚にトラブルがあり、普段はご家族が軟膏を塗ったり、ガーゼを交換している方は、入浴する際に、看護士が皮膚の状態を確認してくれて、必要な処置をおこなってくれます。
※実際に訪問入浴のサービスがおこなわれている動画をご紹介します。
※訪問入浴を利用した際の料金はこのようになっています。
「引用元:WAMNET」
訪問看護・自宅まで看護婦さんが来てくれる介護保険サービス
体調を崩しやすいご高齢者のために、看護婦さんが自宅まで来てくれて体調のチェックなどをしてくれる介護保険サービスが訪問看護です。
寝たきりのご高齢者の介護をされている方の中には、1日の中で、定期的に床ずれの処置をしている方や、ご高齢者さんが使用している在宅酸素などの医療機器をチェックしている方もいると思います。
また、ご高齢者さんは体調を崩しやすいので、お医者さんから指示をもらった内服薬をしっかりと飲めているのか毎日確認したり、血圧や体温の測定をおこなっている方もいると思います。
訪問看護という介護サービスでは、このようなご高齢者が日々健康に生活するために必要な医療処置などを、ご家族に代わって看護士さんが支援をおこなってくれます。
ご自宅まで訪問するのは、ご高齢者の主治医から、利用される方についての医療的な指示をを受けた訪問看護師です。
この訪問看護では、以下のような介護サービスをしてくれます。
血圧や脈拍の測定や内服薬の管理などをしてくれます
訪問看護師はご高齢者のご自宅に訪問するとまず、血圧や体温、脈拍の確認をしてくれます。また、持病を持っている方などは、主治医から医療的な指示が出ている場合があり、その場合には必要な医療処置などもおこなわれます。
その他に、内服薬の飲み忘れが無いか確認したり、ご自宅で在宅酸素などの医療機器を使っている方には、使用状況の確認などもしてくれます。
床ずれの処置・治療方法の指導や助言をしてくれます
寝たきりのご高齢者のいるご家庭では、普段ご家族がしている床ずれの治療を看護士がおこなってくれます。
また、床ずれの状態を確認しながら治療の助言もしてくれます。看護士が必要と思った場合には、治療の方法などについて主治医に指示を仰ぐこともあります。
床ずれ以外にも身体の状態を確認し、異常が見られた場合にはその場で処置をおこないます。必要あれば看護士から通院の指示をする場合もあります。
入浴や排せつの介護をしてくれます
便秘が続いているご高齢者などには、排せつの介護をおこなってくれて、便秘を解消するための助言などもしてくれます。
また、入浴の介護で負担が大きいご家族に代わって入浴の介護をおこなってくれます。入浴の際などに酸素を外して入浴するなど、医療面の注意が必要な方にも、看護士が入浴介護をおこない、入浴後の体調確認などもしてくれます。
訪問看護ではこの他にもさまざまな医療ケアをしてくれます
日常の体調管理について、ご家族へ助言などをおこなったり、認知症介護についての相談にも乗ってくれます。
また、ご高齢者さんが癌の患者さんの場合、ご自宅での治療方法や処置などをおこなってくれます。
※訪問看護を利用した際の料金はこのようになっています。
「引用元:WAMNET」
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は医療と介護が自宅を訪問
この「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」という介護サービスは、1日複数回、訪問介護(ホームヘルパー)がご高齢者のご自宅を定期的に訪問をして、排せつなどの介護をおこなうサービスです。
この介護サービスの特徴は、訪問介護(ホームヘルパー)だけでなく、訪問看護師も一日複数回の訪問をおこなうことです。
介護だけでなく、医療の面で支援を必要としているご高齢者にとってはとても便利な介護サービスです。
主なサービスの内容は以下になります。
1日に複数回、訪問介護と訪問看護師が自宅まで来てくれます
1日に複数回、ご高齢者の自宅を、訪問介護(ホームヘルパー)と訪問看護師が定期的に訪問し、オムツ交換やトイレの介護などの排せつの介護や、「部屋の掃除や洗濯」などの生活援助といった介護サービスを受けることができます。
さらに、ご高齢者が自宅で転倒した時や、急にトイレに行きたくなった場合などの緊急時には日中、夜間問わず、訪問介護(ホームヘルパー)が訪問してくれる随意訪問サービスを受けることもできます。
また、この介護サービスでは、訪問介護(ホームヘルパー)の訪問以外に、訪問看護師という医療の専門家が緊急時に自宅まで来てくれます。
緊急時以外の日中でも、医療の専門家である看護師が定期的に自宅まで来てくれて、入浴や排せつなどの介護をおこなってくれますし、身体の不調や、体調の急変時などの医療のサポートや、急な体調不調時には救急対応のサポートなどもおこなってくれます。
「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」では利用料金が変わります
この介護サービスは、日中、夜間を通して、訪問介護(ホームヘルパー)と訪問看護師が、ご高齢者の自宅への定期的な訪問と、緊急時の随時対応をおこないますが1つの介護事業所から、訪問介護(ホームヘルパー)と訪問看護師が派遣される場合(これを一体型と呼びます)と、訪問介護(ホームヘルパー)と訪問看護師が別の事業所から派遣される場合(これを連携型と呼びます)では料金が変わります。
※詳しい料金の違いについては、この介護サービスの利用を希望する際に、直接事業所へ問い合わせるか、ケアマネジャーさんに確認してみてください。
※定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用した際の料金はこのようになっています。
「引用元:WAMNET」
夜間対応型訪問介護は夜中のおむつ交換の介護をしてもらえます
夜間帯(夜18時~翌朝8時)に、排せつの介助などがご高齢者のために、ホームヘルパーが自宅まで来てくれて排せつの介護をおこなってくれるのが「夜間対応型訪問介護」という介護サービスです。
日々高齢者さんの介護をされているご家族にとって、大きな負担となる介護の1つに「夜間のオムツ交換やトイレの介護」があると思います。
特に、認知症を発症されているご高齢者は、1人でトイレに行くことができなかったり、1人でトイレに行くことはできても、誰かの手助けがないと排せつを済ますことができないなど、ご家族の介護や見守りを必要とする方も多くいます。また、夜間の入眠を促すために、睡眠導入剤などをお医者さんから処方されている方などは、夜間だけオムツを使う方もいるでしょう。
このように、ご高齢者が夜中にトイレにいくたびに排せつの介護で起きなくてはならなかったり、深夜にオムツ交換をするたびに起きなくてはならないなど、介護をされるご家族にとってはとても大きな負担になりますが、この「夜間対応型訪問介護」という介護サービスでは、夜間の排せつの介護の支援をしてくれます。
この介護サービスでは以下のような介護をおこなってくれます。
夜間対応型訪問介護の基本的なサービス内容
この「夜間対応型訪問介護」という介護サービスは、自宅で生活を継続するために介護を必要としているご高齢者に対して、18時から翌朝8時までの夜間帯にホームヘルパーが自宅を訪問し介護をおこなうサービスです。
サービス内容は大きく分けて2つになっていて、サービスの提供に関しては訪問介護サービスと一緒で、介護を必要とする本人へのサービス提供のみとなっていて、同居している家族などへのサービス提供はおこないません。
18時から翌朝8時の夜間帯に排せつの介護をしてくれます
18時から翌朝8時までの夜間帯に、定期的にホームヘルパーが自宅へ訪問してくれてオムツの交換や排せつの介護をご家族に代わっておこなってくれます。
認知症のご高齢者で、1人では通れに行けない方や、ベッドからの起き上がりに介護が必要な方にも見守りや必要な介護をおこなってくれます。
また、失禁などで衣類を汚してしまったときの着替えの介助などもおこなってくれますし、寝たきりのご高齢者で、自分で寝返りができない方には、時間ごとに身体の向きを変える「体位変換」と言う介護もおこなってくれます。
その他には、ご高齢者がベッドで寝ている時の安全確認。または、お1人暮らしの方のご高齢者には、急な体調変化や転倒などをしてケガをしていないかなど、安否確認もおこなってくれます。
急な対応が必要なときホームヘルパーが自宅まで来てくれます
18時から翌朝8時までの定期巡回で決められた時間以外にで、ご高齢者に急な体調不調があったり、自宅で転倒をした時。また、定期巡回の時間以外に1人ではトイレに行けないときや、寝たきりのご高齢者が失禁をしてしまって、急なオムツ交換が必要になったときなど、18時から翌朝8時までの定期巡回で決められた時間以外にホームヘルパーが自宅を訪問してくれて、必要な介護を受けることができます。
この介護サービスを「随時対応サービス」と言います。
訪問介護事業所によってはこの「随時対応サービス」を「オペレーションサービス」と呼んでいる事業所もあります。
この「随時対応サービス」を事業所がおこなう際には、18時から翌朝8時の夜間帯に、サービスを契約しているご高齢者からの緊急の連絡に対応できる人員を常に訪問介護事業所に配置していることと、契約しているご高齢者が、緊急時に訪問介護事業所に連絡をつなぐことができる通報システムという機器を設置していることがこの介護サービスを利用する条件となります。
ご高齢者が緊急時に訪問介護事業所へ連絡する方法は、事業所から貸し出される連絡通報機を使う場合や、ご高齢者が自宅の固定電話や携帯電話などで事業所に直接連絡する2つの方法があります。
事業所から貸し出される通報機は、首から下げられるペンダント式の通報機器になっていて、機器に付いているボタンを押すと事業所に無線でつながるものが一般的に多いようです。
※夜間対応型訪問介護の料金はこのようになっています。
「引用元:WAMNET」
介護保険の対象外になっている在宅介護サービス
介護サービスにはさまざまなものがありますが、介護保険制度のなかでは規則上保険の適用サービスとして提供が認められていない介護サービスが多くあります。
このような、介護保険の適用としては認められないものの、ご高齢者さんやご家族のニーズが高いサービスに対して、介護保険の対象外(保険適用外)として、訪問介護事業所などが提供するのが「介護保険外サービス」です。
排せつの介護や、食事の用意、入浴の介護など、介護保険で提供されるサービスには、介護保険制度でサービスを提供できる範囲が厳格に定められています。
例えば、ご高齢者さんが病院へ行く際に、ご家族の代わりに訪問介護(ホームヘルパー)に付き添いを頼んだ場合、介護保険制度で定められているサービスの提供範囲では、病院の受付窓口までは訪問介護(ホームヘルパー)が一緒に付き添いをしてくれますが、それ以降の、院内で移動する際や病院内のトイレで介護が必要になった時、お医者さんの診察を受けるときに一緒に話を聞いてもらうなどは、介護保険制度ではサービスを提供できる範囲として認められません。
これ以外でも、ご高齢者さんのお部屋の掃除を訪問介護(ホームヘルパー)にお願い場合、床の掃除機掛けはしてもらえますが、窓ガラスを拭いてもらうのは介護保険制度の対象範囲外となり、お願いしても断られてしまいます。
このような、介護保険制度の中では保険対象として認められていないが、実際にサービスを利用している人たちからはとてもニーズが高い介護サービスを「介護保険外サービス」と言います。
では、この介護保険外サービスにはどのようなサービスがあるのか、いくつかご紹介してみようと思います。
病院の中でトイレの介護をしてくれます
通院先の病院の中で、トイレに行きたくなったとき、トイレの中まで一緒に入って排せつの介護をしてくれます。
食事を作ってもらう時、家族の分も一緒に作ってくれます
訪問介護(ホームヘルパー)に食事つくりを頼んだ時、介護保険制度では、同席しているご家族の分は作ってもらえませんが、
介護保険外でのサービス提供であれば、同席しているご家族の分まで食事を作ってもらえます。
散歩の付き添いやご近所さんの家まで付き添いをしてくれます
食材や生活用品の買い物であれば訪問介護(ホームヘルパー)のスーパーなどへ外出する際の付き添いが保険適用と認められますが、散歩やご近所の友人宅まで外出するなどの、趣味や余暇活動で訪問介護(ホームヘルパー)に付き添いを依頼することは介護保険の適用外となります。
このような、散歩や映画を見に行くなど、趣味目的での外出時に付き添いを依頼することも、介護保険外サービスあれば
対応出てもらえます。
これ以外にも様々な介護保険外のサービスがあります
お部屋の掃除を頼んだ時に、窓ガラスの拭き掃除や電球の交換をしてくれたり、ペットの散歩をお願いできます。また、日用品以外の嗜好品(雑誌・お酒・たばこなど)の買い物を依頼できます。
※介護保険外サービスの料金表の一例をご紹介します。
「引用元:荒尾市 社会福祉協議会」
※介護保険制度で保険適用として認められない訪問介護サービス(ホームヘルパー)依頼内容について詳しく解説した記事をご紹介しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
介護保険サービスを始めて利用する時はケアマネジャーが必要
訪問介護(ホームヘルパー)や訪問入浴などの介護保険サービスを始めて利用する場合には「ケアマネジャー(介護支援専門員)」という介護保険の専門家に、介護保険サービスを利用するための手続きをお願いしなければなりません。
このケアマネジャーはご自宅での生活を続けるために介護(ケア)を必要としているご高齢者が、その人に必要な介護サービスを適切に利用できるように、介護サービスを提供している事業所と、介護サービスを利用するご高齢者やご家族との調整や連携をおこない、介護サービスが適切に提供されるための計画書である「ケアプラン」の作成をおこなうなど、介護保険制度において、介護サービスが提供されるためにとても重要な役割を担っている介護の専門家です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容
ケアマネジャーの仕事には、介護保険サービスの調整やケアプランの作成などいろいろな業務がありますがその数多くある仕事の中で最も大事な業務が介護保険サービスの調整と、担当するご高齢者への生活支援です。
また、ご高齢者の生活上での困りごとは、介護保険サービスだけでは解決できないことも数多く発生します。
そのような介護保険制度ではカバーできない生活上での問題が現れた場合、その問題を解決するためにはどのようなサービスを導入すればよいのか、必要に応じて介護保険外のサービスをご高齢者に提案、検討するのもケアマネジャーの大事な仕事です。
※ケアマネジャーの仕事内容について解説しているホームページの記事をご紹介します。
※東京都大田区ホームページより引用
※ケアマネジャーに介護保険の手続きを依頼する方法やケアプランなどについて、詳しく解説している記事がありますのでぜひ参考にしてみてください。
※ケアマネジャーってどんな人?仕事内容は?など徹底解説
在宅介護サービス・自宅に訪問してくれる介護サービスについてまとめます
認知症のご高齢者の介護には、肉体的にも精神的にも様々な負担がかかります。
また、ご自宅でご高齢者の介護をされている方の中には家事や仕事と介護を両立されている方もいると思いますが、ご自分の休む時間もないままに日々介護に終われている方もいると思います。
そこで、今回は、認知症介護での負担を軽減するためにとても便利な在宅介護サービスの中からご高齢者のご自宅まで訪問してくれる介護保険サービスをご紹介してみました。
日中、ご家族が短時間外出するなどの際に、ご家族に代わってご高齢者さんの、食事や排せつなどの介護をおこなってくれる訪問介護(ホームヘルパー)や、自宅での入浴介護が大きな負担となっている場合に、ご家族に代わってご高齢者の入浴介護をおこなってくれる訪問入浴介護など、介護保険サービスには、介護負担にとても役立ってくれるサービスが数多くあります。
認知症介護には終わりが見えません。先の長い介護を続けていくために最も大事なことは介護者さんが疲弊し、つぶれてしまわないことです。そして、日々の介護での疲労やストレスをうまく軽減することが介護を長く続けていくコツでもあります。
そのためにも、今回ご紹介した、介護保険サービスをうまく活用して、たまにはご自身の休む時間を作ったり、ゆっくりと家の用事をおこなったり、介護から離れる時間を作れるようにしてみてください。
今回、ご紹介した内容が、今、認知症介護をおこなっている方にとって、少しでも負担軽減するお役に立てれば幸いです。